2013年1月9日水曜日

『図南の翼 十二国記』(小野不由美)読みました。


雑誌とか本とかに載せる記事を書いていると、
いろんなジレンマがあります。
誰かに取材して、面白い話を聞いたので、
そのまま書こうとしても、
企画とまるっきり違っているからダメなんてとき。

例えば、取材対象者は奥さんなのに、
その旦那さんが人を笑かすことが大好きで、
奥さんの取材中に
伸びていた両方の鼻毛でちょうちょ結びをしたとか。

そんなおちゃめなことでなくても、
非難されるのが怖くて無難な言葉にまとめちゃったり、
時間が足りないから、掘り下げるのはやめて、
わかっている事実だけで記事にしたり、
いろいろあるんです。

でも、物語や小説なら、そんな遠慮はいらない。
鼻毛ちょう結びのキャラクターを
登場させたっていいし、
非難されそうな危険な言葉だって
セリフとして言わせちゃえばいい。
ああ、なんて自由なんでしょ。フィクションって。

でも、その世界観が読者に受け入れられないと、
単なる一人遊びになっちゃうんですけどね。

で、この『図南の翼』。

いいっす!
自由ですね。のびのびですね。
言いたいこと、どばーっと吐き出してるのに
一人遊びになってない。感服でした。


図南の翼 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)
小野 不由美
講談社
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