2012年10月22日月曜日

『百年前の日本語──書きことばが揺れた時代』(今野真二)読みました。


……祝賀会が行われた。主催者の菊池さんは
「大勢の方々の協力で準備を行なってきましたが、
かくも盛大な集いになり……

ってな原稿を書いて、
校正の人にチェックしてもらうと、
最初の行にある「行われた」と、
次の行の「行なってきた」のトコに赤ペンが入り、
「統一しましょう」みたいなコメントをもらいます。

「おこなう」の漢字の「行」に、
送りがなの「な」を付けるか付けないか、
どっちか一つに決めなさいってことです。

これ用語統一っていいます。
統一されてない文章を
「揺れている」とかっていいます。

表記の揺れがないかどうかを
チェックしてくれるのが校正者さんです。
昔、その校正者さんに、アホなぼくは聞きました。
「なんで統一しなきゃダメなんですか?」

校正者さんは、
何でそんなこと、わからないのって顔をして
「読む人が混乱するからです。
一つの記事の中に『行い』と『行ない』があったら、
意味が違うと考えてしまうでしょ」

そっか、そうなんですね。
うん、うん。

で、この『百年前の日本語──書きことばが揺れた時代』

昔って、揺れてたらしいんです、文章。
それが最近、揺れなくなっていったそうです
……そんなの初めて知りました。

知らなかったことを知るってわくわくです。
だから、この本、面白かったです。

百年前の日本語――書きことばが揺れた時代 (岩波新書)
今野 真二
岩波書店
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