2012年10月16日火曜日

『フラミンゴの村』(澤西祐典)読みました。


風に舞いながら転がっていく新聞紙が、
ベンチに座っている女の人の前で集まり、
人間の形になっていく。

驚く女性に襲いかかる新聞人間。
あわやと思ったそのとき、
突風が吹き、新聞は吹き飛ばされ、
もとの新聞紙に戻っていく
──そんなお話を、昔、映画学校の課題に出た
ショートシナリオで書きました。

自分でいうのもなんですが、
なんか比喩がありそうですよね、このお話。
でも、実は何の比喩も隠していない、
単なる思いつきのストーリー。
あの頃は、若かった……。

で、この『フラミンゴの村』

ぼくのお話と比べるのは、大変失礼なんですが、
新聞人間のように、不思議なことが起こる物語です。

そこには、きっと何かの隠喩が
込められているはずなんですが、
ぼくにはそれがわからなかった。
でも、不思議な世界だけで、十分楽しめた。

ぼくは、隠された作者の思いとかテーマとか、
そんなものを必要としない本読みなのかもしれません。

フラミンゴの村
フラミンゴの村
posted with amazlet at 12.10.16
澤西 祐典
集英社
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