2012年10月12日金曜日

『東の海神 西の滄海 十二国記』(小野不由美)読みました。


正義の味方が悪者を倒す勧善懲悪の物語は、
それなりに安心できて楽しめます。
(もちろん作者の技量によりますが)

でも、現実の世の中では、
完全な正義も、絶対の悪も、
はっきり決めつけるのは難しい。

そんな現実を物語に反映させるとどうなるでしょう。
対立する2者が、どっちも正義の味方とか。
読んでいる人は、どちらにも感情移入できちゃう。
そんな物語だと、それはそれで、
良い悪いがはっきりしている勧善懲悪のお話より、
ぐんと深く、面白くなるんじゃないかなって思います。

で、この『東の海神 西の滄海 十二国記』。
さすがです。
今、十二国記シリーズにはまってますが、
ホントに、はまって良かったと思います。
だって、おもろいモン。

なんですが、ちょっと気になった点(以下ネタバレ注意)。
物語は、上に書いたように2者の対立で、
正義の味方と悪者的な構図になってます。
でも、前半は悪者が正義の味方みたいに描かれてます。
悪者が悪であることは徐々にわかってくる。
ぼくはコレ、最後まで正義の味方であってほしかった。
正義と正義の戦いのぐちゃぐちゃ感が
あったらなぁ……高望みしすぎかな。

東の海神 西の滄海 十二国記 (講談社文庫)
小野 不由美
講談社
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