2012年9月18日火曜日

『風の海 迷宮の岸(下) 十二国記』(小野不由美)読みました。


「わっ! それ、今はもう禁止になっている
 変化球サーブじゃん」

学生時代、ぼくはこのセリフを書いて、
添削してくれた先生から
「おまえこれは完全に説明セリフだよ」
と言われました。

昔、変化球サーブでこてんぱんにされた主人公が、
何年かのちに、再度そのサーブを目にした場面。
トラウマになっているそのショットをひさびさに見て、
驚いている主人公に
「今はもう禁止になっている」なんてセリフを
言わせちゃった。

先生の言うとおり、
ぼくは「昔はOKだったけど、今はNG」ってことを
説明したかったんです。
つまり、まるごとの説明セリフ。

説明セリフってのは、
うっとうしくて、リアルじゃなくて、
物語のテンポとかもダメにしちゃう。

気持ちよく観ているドラマや映画で
そんなセリフが1つ入ってきただけで、
おいおいおい、としらけてきちゃう。

で、この『風の海 迷宮の岸(下)十二国記』。

説明セリフがうまいです。
おいおいおいとは、なりません。

すべてがつくり物のファンタジーの世界なので、
説明しないと読者は理解できない。
だからセリフの中でも説明しなきゃいけないんだけど、
それが、リアルな言葉になってる。
うーん、よし。次の巻、急いで買いに行こ。

風の海 迷宮の岸(下) 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)
小野 不由美
講談社
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