2012年7月5日木曜日

『中庭の出来事』(恩田陸)読みました。


記憶が抜けるのか、時間が抜けるのか、
それとも空間を突き抜けるのか。
気がついてみると、
別の場所にいることがあります。

この現象、
走っているときや、自転車に乗っているときなど、
自分で運動しながら
継続的に移動している最中に、
ごくたまに起きるんです。

いつもはつらくてへーへー言いながら
のぼっていく坂道の手前で、
「あー今日もこの坂道か……」
と考えながら走っているとき。
なんかふわって感じがして、
あれっと思ってわれに返ると、
もう、そのつらい坂道は後ろのほうに過ぎてる。
へーへー言った覚えもないんです。

ゴールまでの時間を確かめてみると、
いつもと変わりはない。
なので、時間や空間を飛び越えるような
超常現象ではなく、
きっとぼくの頭の中の回路が気を利かせて、
つらい状態を感じさせないようにしてるんだ、
と自分では解釈しています。
とはいえ、この感じ、何ともいえず不思議です。

で、この『中庭の出来事』。

何ともいえず不思議です。
それなのに、ストーリーは明瞭。
中には不思議な世界をみせてはくれるのに、
物語のスジが全然わからなく
なってしまう本があります。
けど、これはちゃう。
作者の恩田陸さんって、
すごく頭がいいんだなって思った本です。

中庭の出来事 (新潮文庫)
中庭の出来事 (新潮文庫)
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恩田 陸
新潮社
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