短編のシナリオを書いて、
先生に批評してもらうような授業がありました。
今ではもう、先生が誰で、
自分がどんな作品を書いたのかは、
まったく覚えてないんですけど、
その授業の中で先生から言われたことは、
なぜか今でも頭に残っています。
「君の作品は、
ストーリーの枠組みとか設定とか、
脇役のキャラクターなんかは、よくできています。
上手いって言ってもいいでしょう。
でも、主人公のキャラがまったく面白くない。
これで主人公が面白かったら、
すごい作品なんですけどね」
これってつまり、
見栄えのいいように着飾っているけど、
中身の人間はそれほどでもない、
お前自身はつまらいんだよ!
そんな意味合いにとれますよね。
というか、ぼくはまるまるその意味にとっちゃいました。
だから、先生のこのセリフを忘れないんでしょうね。
よし! そういうことなら、
もっともっとごてごてに飾り立てて、
中身の人間なんて見えないようにして
……そうだ! 着ぐるみを着ちゃえばいいんだ。
そうすれば、中身なんて判断されずに、
着ぐるみのかわいさだけで勝負できるから!
で、この『吉田キグルマレナイト☆』。
着ぐるみでお芝居する役者さんたちのお話です。
ストーリーの枠組みとか設定とか、
脇役のキャラクターなんかが
とっても面白かったです。