2011年12月7日水曜日

『河内源氏』(元木 泰雄)読みました。

この本にたどり着くまでの経緯は、
高村薫『太陽を曳く馬』→『<マンガ>正法眼蔵入門』→
『現代文訳 正法眼蔵』→立松和平『道元禅師』でした。
ぜんぜん理解できなかった道元さんの
正法眼蔵にひっぱられて、なぜか源氏です。

道元さんの人生を描いた立松さんの小説で、
そもそも正法眼蔵が書かれたのが
鎌倉時代だってことを知り、
それじゃあ、いい国つくろう鎌倉幕府の源頼朝か、
んじゃあ源氏だって思っていたところに、
新聞の書評かなにかで、源氏のことを知りたいなら、
この『河内源氏』を読みなさい、
みたいなことが書かれてあって、
よしこれだと思ったのが、きっかけでした。

でもね。確かに源頼朝は、
河内源氏という一族みたいなんだけど、
この本は、頼朝が出てくるまでの、
その親とかお爺さんとか3代前とか、
そんな人たちの紹介がメインで、
本の最後のほうでやっと、
「周知のようにこの後、頼朝が鎌倉幕府をつくることになる」
みたいなとこでしめられてる。

だから、
道元さんの生きた時代のことを理解しようと思っても、
その部分は触れてなかったんです。

なんとまあ、道元さん。
道元さんはぼくにとって、
簡単にはたどり着いちゃいけない難物ってことなんでしょうね。

とはいえ、この本、勉強になります。
ほかの学者の説を、
けちょんけちょんに言っている部分がたまにあって、
それが、なんかイヤなんですけど、
それ以外は面白い。

時代物を書いている小説家の人たちは、
きっとこういう本を読んで、刺激を受けて、
「今度、この人をテーマにしよ!」とか思うんだろうな。


河内源氏 - 頼朝を生んだ武士本流 (中公新書)
元木 泰雄
中央公論新社
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