2011年11月1日火曜日

「うぐっ」てくること。

『下町ロケット』(池井戸 潤)読みました。

何の前触れもなく、「うぐっ」って、
なんかが突き上げてきて、
これって涙だと気づき、
いかんいかん、こんなトコで、
いい年したおじさんが泣いてはいかん、
と身体が自然に反応して、
必至で涙腺を引き締めるってこと、
ぼくは週のうち何回かあります。

こう書いて、思い出したのが、
娘と一緒に彼女の高校入試の
合格発表を見に行ったときのこと。

本当は互いに緊張しているのに、
緊張なんかしてないよ、
普段通りなんだからって感じを装って、
2人で電車に乗って向かった高校。
駅から高校までの道のりも、
「こんなとこまで通ったら大変だなぁ」なんて、
もう合格は決まっているようなセリフを
わざと言ったりしながら校門をくぐって、
人だかりができている掲示板の前に。

受験番号を聞いていなかったぼくは、
その人だかりの後ろのほうにいて、
泣いちゃっている子やそれを慰める子、
「やったー!」とでかい声で
叫んでいるぼくよりきっと年上の
オヤジさんの姿なんかを、ぼんやり眺めながら、
ああ絵に描いたような合格発表の様子だな、
なんて考えていました。

そんなとぼけたこと考えているぼくに、
娘が駆け寄ってきて「あった!」と言ったんです。

まさに、この瞬間でした。
「うぐっ」って、なんかが突き上げてきたのは。
そんなものがくるとは、予想もしてなかったんですけどね。

で、この『下町ロケット』。

読書中、18回ほど「うぐっ」ってきました。
さわやかですよ、この本。



下町ロケット
下町ロケット
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池井戸 潤
小学館
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