仕事とは関係なく普通に読書しているときにも、
ヘンなところで疑問を感じてしまうことがあります。
例えば、難しい漢字につける読み仮名のルビ。
同じ単語なのに今読んだところはルビが振ってあって、
その5行後にはついてない。
そんなときは「紙面がうるさくなるから、
初出の部分だけルビを振って、
そのあとは付けないようにしているんだな」なんて、
内容とは関係ないことを考えてしまいます。
と、自分勝手に判断して読み進めていると、
その30ページくらい後で、また同じ単語にルビがある。
そうなると
「あれ? またルビが振ってある。
初出だけに付けるルールじゃなかったの」
と、これまた本の内容とは関係ないトコに
疑問を感じてしまう。
そんな細かなことが気になり出すと、
本の内容理解がとてもおぼつかなくなってしまいます。
ちなみに、今いったルビの件は、
その後、ベテランの校正者さんに聞いたところ、
「30ページ間が空いたら再度ルビを振る」
ってルールもあるようで、
そのルールは出版社独自のものや、
著者または編集者の好みだけの問題もあり、
統一された決まり事はないってことでした。
で、この『華氏451度』。
ぼくが本をつくるときには、たいてい漢字を使う場面で、
ひらがなが使われていたり、
難しい漢字がルビもなく、そのまま使われていたり
──そんな内容とは関係ないトコが
やたら気になっちゃった本でした。
内容がぼく仕様で、ぐいぐい行ってくれる本だと、
そんなこんまいトコは気にならないんですけどね。
つまり物語とか語り口とかが、
ぼく仕様ではなかったようですね、この本。