2011年10月20日木曜日

もし弟子が天才だったら。

『根津権現裏』(藤澤清造)読みました。

まず、Wikipediaに載っていた
15世紀の画家についての解説を引用しちゃいます。

『アンドレア・デル・ヴェロッキオ(Andrea del Verrocchio,
1435年頃フィレンツェ - 1488年ヴェネツィア)は、
イタリア・フィレンツェで工房を構えた
ルネサンス期の彫刻家・画家・建築家。
レオナルド・ダ・ヴィンチの師であったが、
年若い彼が描いた絵を見て、その見事さに驚愕し
その後絵を描かなくなったと伝えられている』

昔、レオナルド・ダ・ヴィンチのことを
記事に書いたことがあって、
そのときこの師匠のことを知りました。
才能を持った弟子が、
師匠をらくらく越えちゃうってことは、
世の中にはままあるんだなって感心して、
ぼんやり覚えていたんです。

で、この『根津権現裏』。

最近芥川賞をとった西村賢太さんって作家が、
昭和初期に亡くなり、
その後ほとんど世に知られることのなかった
藤澤清造さんて人を、もう一度見直して欲しいと、
出版社にかけあって、復刻された本だそうです。

西村賢太さんは、
藤澤清造さんの没後弟子を自称していて、
人生が変わるほどの相当な影響を受けたっていってます。

ぼくがこの『根津権現裏』を読んだのは、
この西村賢太さんの本が面白かったから。
芥川賞をとった『苦役列車』です。
こんなおもろい小説のバックボーンになっている、
いわばネタ元は、ぜひ押さえておきたいと手に取ったんです。

でも、でも。ううーん……ダメでした。
申し訳ないんですけど、途中で飽きてきちゃった。
没後弟子の西村さんの作品のほうが、
ぜんぜん上だなって思っちゃったんです。

そこで思い出したのが、
レオナルド・ダ・ヴィンチとその師匠の関係。
西村賢太さんが、藤澤清造さんのいる時代に
もし弟子入りしていたとしたら、どうだったろうかな、
なんてつまらぬ想像をしてしまいました、とさ。


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藤澤 清造
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