2011年9月5日月曜日

面白くないパターンの(1)



『占星術殺人事件』(島田荘司)読みました。


小学校のとき、
なぜか迷路をつくる遊びが流行ったことがあります。

宿題のプリントの裏なんかに、
スタートとゴール地点を描いて、
その間に、ぐにゃぐにゃした道を何本も描いて、
そのうち1本だけスタートとゴールがつながっている落書き。

それをみんなに解いてもらって
「わー難しい!」とか
「なんだ簡単じゃん!」なんて騒ぐ遊びです。

ぼくは、この迷路づくりが得意だったんです。

みんなを迷わせる行き止まりの道を
巧妙にしかけておくとか、
たくさんの分かれ道と2つだけの分かれ道を
バランスよく組み合わせるとか、
とにかくみんなをうならせることを考えて、
るんるんしながら道をつなげていきました。

で、つくるのは得意で面白かったんですが、
友だちのつくった迷路を解くのは、
そんなに面白くなかった。

面白くないパターンの(1)は、
難しくてゴールにたどり着けないもの。

パターン(2)は、
何も悩まずすんなり簡単に
ゴールにたどり着けちゃうもの。
特に(2)が面白くない。

とにかく自分がつくって、
みんなが一生懸命解いている姿を見るのがよかったんですね。

でで、この『占星術殺人事件』。

すごいです。
途中で「読者への挑戦」とかいう
直接読者に呼び掛ける文章が入っていて、
「犯人を当ててごらん」と作者が挑発しちゃったりします。

もちろん、へなちょこ頭のぼくには、
ぜんぜんわかりません。

そう、友だちがつくった迷路をやってるぼくのパターン(1)。
小説なんで、最後には答えがわかるからいいんですけど、
挑発文章を読む段階では、「きーっ」てなっちゃいます。

やっぱりぼくは、つくっているほうが面白いかな。
ぼくのつくったものを、
読む人が面白がってくれるかどうかは、別にして。


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島田 荘司
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