2011年9月2日金曜日

もうちょっと、つくればいいのに。

『道元禅師(下)』(立松和平)読みました。

このネタは以前にもどっかで書いたような気がするんですが、
いつどこで書いたのか、まったく覚えていないので、
使い回ししちゃいます。

友だちの書いた小説のことです。
(ちなみに、どんな内容の小説で、
どの友だちが書いたかも忘れちゃってます。
……トリ頭をなんとかしないと)

その友だちに作品を読ませてもらったぼくは、
「うん、まあ面白いんじゃないの」的な感想を言いました。

確かに作品のできは、そこそこ良かったんです。

でも、1箇所だけ、つくり話っぽくて、
リアリティがない部分があって、それを指摘しました。

「ここだけ、ちょっと、面白くないね。
というか、いかにもつくりましたって感じ。
リアリティが欲しい」

すると、その友だちは、

「この話は、お前の指摘した1箇所以外、全部つくり話。
で、指摘した1箇所はホントにあったこと。
なんでホントにあったことにリアリティがないって言うの」

つくり話は本当ぽくって、本当の話はつくりっぽい。
なぜでしょうね。

それはたぶん、
ぼくの感じ方や友だちの力量じゃなく、
書き物の法則っていうか宿命っていうか、
そんな動かせない何かがあるんだと思います。

ましてやノンフィクションだとわかった上で、
読まされるモノじゃなかったわけで。

で、この『道元禅師』。

一生懸命調べて、
とことんホントのこと書いているんだと思います。

だからなんでしょうね。
ぼくには、ずずーんとくるものがなかった。

道元さんの思想を
そのまま紹介しているような部分が難しくて、
トリ頭のぼくには理解できないってこともあるんですが……。

率直な感想は、
「もうちょっと、つくちゃえばいいのに」でした。


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立松 和平
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