2011年8月2日火曜日

ちょうどいいです。

『折れた竜骨』(米澤穂信)読みました。

ぼくは今、
自宅から会社までの約5キロの道のりを
ランニング通勤しています。

始めてからまだ5カ月ほどなので、
まだまだつらいです。

いつも途中でくじけそうになって、
「歩いちゃおうかな」とか
「バスに乗っちゃおうかな」なんて考えが
頭をよぎります。

でも、最近になってときどき
「あれ? 今日はそんなにきつくない、
いつもよりは楽ちんだ」
と思える日がちらっと出てくるようになりました。

走りのつらさに慣れてきて、
約5キロのランニングが体力的に
ちょうどいい長さになってきているんでしょう。

この「ちょうどいい長さ」って大切です。

本を読んでいて、
なんか内容がだれてきて
つまらなくなってきたなーと思い始めたトコで、
場面が転換されて「うおッ」って感じたり、
ウンいいよもっとこの会話続けてほしいって
思っている間だけ会話の場面が続いていたり、
ときには
「えッこのシーン、何でここで終わっちゃうの」と感じても、
後のほうで、
伏線なりなんなりのフォローをしてくれたり……。

その感じ方は人それぞれだと思うんだけど、
たまにぼくが感じる「ちょうどいい長さ」に、
ぴったりはまる作品に出会うことがあります。

それがこの『折れた竜骨』。よくできてました。

比較するのはとってもおこがましいんですが、
ぼくのようにその場で思いついたことを
何も意識せずペコペコと打っていく文章のつくり方とは、
きっと違うんだろうなって感じました。

きちんと作戦を立てて計算してつくってるんだろうな。拍手。


折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)
米澤 穂信
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