本の制作を請け負うとき、
発行部数に応じた印税での契約を結ぶことがあります。
発注する出版社からすると、
1冊売れるごとに定価の10%とかを支払うから、
売れる本をつくってねってことです。
10%の場合、
定価が1000円なら1冊売れて100円、
1000冊で10万円、1万冊で100万円。
10万部なら1000万円……これは、欲しいです。
そんな、
職業的な脳内への刷り込みがあって、ある日。
10万部以上も発行するという
フリーペーパーの仕事が来ました。
で、ギャラの交渉をするときに、思わず
「そんなに発行部数があるんなら、
印税にしてもえたら嬉しいですね」
なんて言ってみたんです。
すると、
「いいですよ!
でもフリーペーパーだから定価0円ですからね。
いくら発行部数が多くたって、ゼロを掛けたらゼロですから」
で、この『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか』。
この本の中に、
「年収200倍の法則」なる悩ましい記述が記されていました。
その法則によれば、
「概ねその人の年収というのは、
今使っている財布の購入価格の200倍」になるそうです。
1万円の財布を使っている人なら年収は200万円、
10万円なら2000万円ってこと。
えーっと……
実はぼく、サイフ自体を持っていません。
ポケットがたくさんついている腰巻き型ポシェットの
1つのポケットを専用のお金入れにしてるんです。
ずっとそれです。サイフじゃない。
つまりサイフの購入価格は0円です。
いくら200倍しても、
10万倍してもゼロになってしまう不思議な数の「ゼロ」。
……まっ、いいか。
ちなにみこの本を読んだのは、
友だちが本づくりにかかわっていて、結構売れているって聞いたから。
すすーっと読めて、なかなか、良くできるいい本ですよ。