2011年6月17日金曜日

すすーっと読めちゃう戯曲もあるよ。

『豆腐小僧その他』(京極夏彦)読みました。

「あたし脚本とか戯曲って、
ちゃんと読めないんです。
文字を追っているつもりなんだけど、
まったく頭に入って来ない。
誰が誰だかわからなくなっちゃって、
いつも途中で投げ出しちゃう」

ぼくが、黒澤明の脚本ってすごいよって話をしたら、
黒澤どころか脚本という上階層のディレクトリから
否定されたことがありました。

まあ、脚本や戯曲って、
映画や舞台をつくるための設計図なので、
心理描写はほとんどなく、
ある程度気合いを入れて読まないと、
わからなくなっちゃうっていうのも、
わからなくもないです。

なんですが……。
そんなに気合いを入れなくても、
すすーっと読めちゃう、脚本や戯曲ってあるもんです。
なんでかわからないけど、
たぶん、お話が面白いからってことなんでしょうね。
単に好みに合っているってことかもしれません。

で、この『豆腐小僧その他』。

小説、戯曲(狂言のオリジナル台本)、
落語のオリジナル台本が入っている作品集でした。

この前読んだ
『豆腐小僧双六道中おやすみ本朝妖怪盛衰録』が
面白かったので、続くお話かと勘違いして購入。

開いてみると、戯曲なんかが入っていたんで、
あら間違ったと思いながらも、
すすーっと読めちゃいました。

気合い入れなくても大丈夫だったんです。

まあ、本の半分は小説で、
その残り半分で、戯曲とか落語の台本が
何本か掲載されてるんですけどね。
その短さもとっつきやすいポイントだったのかも。

いずれにしても京極さんのすごさを再発見できた本でした。

んで、今度は間違わずに、豆腐小僧シリーズを入手しよっと。


豆腐小僧その他 (角川文庫)
京極 夏彦
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-04-23)
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