2011年5月26日木曜日

読書環境で変わる作品の評価

『偉大なる、しゅららぼん』(万城目学)読みました。

この前『雁の寺・越前竹人形』のことを書いた際、
読者が作品に触れるときの年齢について触れました。
(下にスクロールすると読めると思います)

同じ人が同じ作品を読んでも、
年齢が違っていると、評価が変わってくるなって話です。

実はこれ、年齢だけじゃなかったんです。

それは、読書環境の違い。落ち着き度合いの違いです。

この『偉大なる、しゅららぼん』
とっても面白うございました。
でも、なぜかしら、邪魔が入る読書環境だったんです。
電話が鳴ったり、
「なるはやでお願いします」とかのメールが入ったり、
宅配便さんが来たり、
果ては、お茶をこぼしちゃったり。

そんな、あれやこれやの邪魔が、
「うわーっ、そうくるか!」
「このキャラすごい!!」
「えっ、じゃあ次はどうなるの!?」
……なんて、わくわくどきどきの最中に襲ってくるんです。

なぜでしょう。
やっぱ、この作品の不思議な力のなせるワザなんでしょうか。

ということで、作品は本当に面白かったんですが、
なぜか印象がぼやぼやになってしまい、
ぼくの評価は「惜しい!」。

もうしばらく経ってから、この作品を再読し、
そのときもいろんな邪魔が入るようだったら、
違う意味ですごい本なのかもしれません。

年齢と読書環境、
これは間違いなく作品の受け止め方を変えちゃいます。

偉大なる、しゅららぼん
万城目 学
集英社
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