2011年4月24日日曜日

こそばゆいです。

『日本はなぜ世界で一番人気があるのか』(竹田恒泰)読みました。

一冊の本をつくるとき、
ぼくが一番多く担当させてもらうのは、
執筆&編集という役割です。

まず文字の原稿を自分で書いて、
それに合ったイラストとか写真とかを集めます。
それをレイアウトしてくれるデザイナーさんに渡し、
各ページに配分してもらいます。

このとき
「だいたいこんな感じで配分してね」という
手書きのラフもつくって、
他の素材と一緒にデザイナーさんに渡します。

で、ある本をつくっていたときのことです。

ラフと一緒に素材一式を渡しながら説明するぼくに、
担当のデザイナーさんが言いました。

「ここまでやる人は、いませんよ!
全ページのラフなんかもらったの初めてですよ! すごいッスね。
これもし、そのまま印刷したら、メイキング本になって、
こっちのほうが売れるかもしれないッスよ!」

ぼくは、デザイナーさんに要らぬ手間を掛けさせてはいけないと、
300ページ近くある本の全部ページをラフで起こしていました。
そこに、イラストや写真などの合い判はもちろん、
注意して欲しいことなんかを細かく書いていたんです。

でも、それはいつものことです。

そんなに褒められることとは思ってないんです。
後のことを心配しながら
「ここに注意書きしておかないと誤解されるかも」
「間違っちゃうとダメだから、確認マーク入れておこ」
とか考えているうちに、
全ページ書いちゃって、指示も細かく入れちゃう。

つまりは、後でミスが発覚するのが怖い、
臆病者ってだけなんです。

それを、このデザイナーさんのように褒められると
(もしかしたら、バカにしてたのかもしれませんが)、
とってもこそばゆくて、とっても居心地が悪くなります。

で、この『日本はなぜ世界で一番人気があるのか』。

ぼくがデザイナーさんのお褒めの言葉を頂いたときの
「こそばゆさ」そのものでした。

「日本人としての誇り」って、
ぼくにはそれほど必要ないかな……。
むずむずして、居心地が悪くなる気がするので。


日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか (PHP新書)
竹田 恒泰
PHP研究所
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