2011年1月13日木曜日

ただ1人に向けて書く

『書いて生きていく プロ文章論』(上阪徹)読みました。

ぼくの仕事の大半は、
新聞や雑誌、書籍などに文章を書くことです。

でも、毎回毎回、自信満々で文面がつくれるわけではなく、
実は
「ホントにこれで伝わる?」
「文法的に間違ってない?」などの
自問自答の繰り返しで、
なんとか文字を埋めているって感じなんです。

なので「文章作法入門」みたい本を、
よくカンニング用に利用します。

でも、そんな本を読んだあとって、
なんだか文章がぎくしゃくしちゃって、
作文がうまく進まなくなる。

一生懸命トレーニングして本番に臨もうとしたら、
筋肉痛でうまく力が出せないって感じです。

この筋肉痛を乗り越えると、
「あれ? なんか実力がついた」って気もするんですけどね。

で、この『プロ文章論』。

どうやら筋肉痛は起こさない種類のカンニング本だったみたいです。
なぜなら、文章作成の技法を述べているんじゃなく、
文章を書く前の心構えみたいなことで内容を構成しているから。

そしてその心構えの多くは、
ぼくがふだんやっていることと(幸いなことに)共通していました。
だからこの本を読んで
「やっぱぼくのやり方も間違ってはいないな」と確認できたんです。
よかった、よかった。

さらに、
この本は今までのぼくが
持っていなかった新しい考え方も教えてくれました。

新聞や雑誌の記事でも、
ただ1人の読者に向けて書くようにすると良いってこと。

直接この言葉が記されているわけじゃないんですが、
ぼくが勝手に読みとっちゃいました。

さて、これから書かなくちゃいけないあの記事は
誰に向けて書こうかな。


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上阪 徹

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