2010年10月8日金曜日

熱狂と虚脱

『同日同刻』(山田風太郎)読みました。

読んだ本の感想を書くような体裁になっていながら、
なんだか自分ことばかり話してる。

わかってるんですけどね。

でも本の内容紹介だったら、
今はネットで一瞬で表示できちゃうので、
わざわざぼくがやることもないかなって思い、
今回もぼくの高校時代の昔話をちらっと。

高校生のとき部活はバドミントンをやってました。
その3年間の中で、一番熱狂した試合があったんですが、
それ、じつは自分が出た試合じゃなかったんです。

1つ上の先輩たちの引退試合。
その試合に勝ったら、ベスト4とかにいけそうな位置。
でも相手は強くて、歯が立たなかったんです。

それでも先輩たちは、
あと1点取られたら終わりってときに、
あきらめずに頑張った。

なんと十数点連取して追いついちゃったんです。
それでも結局負けちゃったんですけどね。

このときです。ぼくが熱かったのは。

自分でも驚くくらいでかい声を張り上げて声援をおくり、
真っ赤になるほど手を叩いて!

で、最後の1点を取られたとき
──虚脱、キョダツ、きょだつ……でした。

あと1点で終わりってギリギリのとき、
必死にもがいている先輩がそのモガキもむなしく
破れてしまった状況。
それを自分のことのように応援し、
自分のことのように虚脱した状況。

この本を読んで思い出したのは、その状況でした。

この本が教えてくれるのは、
終戦のときの日本の指導部のドラマなので、
ぼくの思い出した状況とはまったく次元は違います。

でも出てくる人たちの熱さが、
幼稚な経験しかないぼくの熱狂した昔を
頭によぎらせたんです。

不謹慎かもしれないんですが、
この本、すごく面白かったです。

同日同刻―太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日 (ちくま文庫)同日同刻―太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日 (ちくま文庫)
山田 風太郎

筑摩書房 2006-08
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