2010年7月22日木曜日

涙の量を比べてみては?

『永遠の0』(百田尚樹)読みました。

ぼくは、昔『葬儀・法要のあいさつと手紙』って本をつくったことがあります。
この中に故人に捧げる言葉である「弔辞」の文例をいくつか載せました。

もちろん、弔辞を読む人も故人も、
その設定は全部ぼくの頭の中でつくったもの。
つまりは、創作の文章です。


ぼくは、文章を書いているとき、
その世界にどっぷり浸ってしまうというヘンなクセがあります。

もちろん、この弔辞の文例を書いているときもそうでした。
ようするに、ぼくの頭の中でつくりあげた架空の故人に思いを寄せて
「あなたと過ごした時間がとても楽しかった」みたいなことを、
せつせつとイメージしながら書き進めていたんです。

そのとき、事務所のドアが開き、いつものように「おはよう」と言いながら、
会社の仲間が入ってきたらしいんです。
でも、ぼくはあまりにもその世界に浸りすぎていて、
仲間に気づかず、ペコペコとキーボードを叩き続けていました。

すると、そいつはぼくの顔をのぞき込み、
「おまえ、なんで、泣いてんの?」

ぼくは、自分が泣いていることにも気づかずに
架空の人による架空の人に捧げる弔辞を書いていたんです。


この『永遠の0』って本は、もちろん弔辞文例集ではありません。
でも、泣けます。
読んでいて気がつかないうちに涙がたれています。
もしかしたら、ひっくひっくとしゃくり上げて泣き出し、
止まらなくなっちゃうかもです。

オススメの読み方は、この『永遠の0』と『葬儀・法要のあいさつと手紙』で
どちらが涙の量が多いかの比べ読み。

そんなことするヤツは誰もいないか。

永遠の0 (講談社文庫)永遠の0 (講談社文庫)
百田 尚樹

講談社 2009-07-15
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