ぼくは、現在の日本映画学校の前身「横浜放送映画専門学校」の卒業生。たしかこの映画学校に入学したてのころ、読んでおくべき100冊みたいな一覧表のプリントをわたされました。『ファウスト』は、その中に入っていた一冊です。他には『カラマーゾフの兄弟』や『異邦人』、日本文学では『こころ』『山月記』なんかがあったような気がします。
それから20年以上の時を過ぎて、やっと読んだゲーテ先生。
映画学校オススメの100冊に何があったのか全部は覚えていませんが、半分も読んでいないことはたしかです。
さて『ファウスト』。
残念ながら──無理でした。
たぶんぼくの読み方が浅すぎる。平易な文体で訳文がつくられているので、内容やストーリーを追うのは問題なくできるんです。その点で訳者はすごい力量を持った人だなと感心しました。そしてぼくは、その訳文のわかりやすさにすっかり身をゆだねてしまい、ささっと読んで「なんだ、こんなもんか」ぐらいの印象しか持てなかった。
結論。本は斜め読みじゃあいけません。
つくる人はホントに真剣につくっているんですから。それは身にしみてわかっているはずなのに、流されてしまうぼく。いけません。
ファウスト 第一部 新訳決定版 (集英社文庫ヘリテージシリーズ) | |
ゲーテ 池内 紀 おすすめ平均 コンピュータ時代を逆照射する問題作 読みやすさ抜群、だがもう一歩奥を! 積ん読だったけど、読み終わった。読んでみるべきです。 わからない・・・ 今までに無い素晴らしい訳本 Amazonで詳しく見る by G-Tools |