2010年7月9日金曜日

残念ながら──無理でした。

『ファウスト第一部』(ゲーテ・池内紀訳)読みました。

 ぼくは、現在の日本映画学校の前身「横浜放送映画専門学校」の卒業生。たしかこの映画学校に入学したてのころ、読んでおくべき100冊みたいな一覧表のプリントをわたされました。『ファウスト』は、その中に入っていた一冊です。他には『カラマーゾフの兄弟』や『異邦人』、日本文学では『こころ』『山月記』なんかがあったような気がします。

 それから20年以上の時を過ぎて、やっと読んだゲーテ先生。
 映画学校オススメの100冊に何があったのか全部は覚えていませんが、半分も読んでいないことはたしかです。

 さて『ファウスト』。

 残念ながら──無理でした。

 たぶんぼくの読み方が浅すぎる。平易な文体で訳文がつくられているので、内容やストーリーを追うのは問題なくできるんです。その点で訳者はすごい力量を持った人だなと感心しました。そしてぼくは、その訳文のわかりやすさにすっかり身をゆだねてしまい、ささっと読んで「なんだ、こんなもんか」ぐらいの印象しか持てなかった。

 結論。本は斜め読みじゃあいけません。

 つくる人はホントに真剣につくっているんですから。それは身にしみてわかっているはずなのに、流されてしまうぼく。いけません。


ファウスト 第一部 新訳決定版 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
ファウスト 第一部 新訳決定版 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)ゲーテ 池内 紀

おすすめ平均
starsコンピュータ時代を逆照射する問題作
stars読みやすさ抜群、だがもう一歩奥を!
stars積ん読だったけど、読み終わった。読んでみるべきです。
starsわからない・・・
stars今までに無い素晴らしい訳本

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