2010年7月5日月曜日

昼はペンギン、夜はソラリス

 『ソラリスの陽のもとに』(スタニスワフ・レム)を読みました。

 ぼくは、昼休みと夜寝る前の1日2回本を読みます。
 昼と夜のそれぞれに読みかけの本置き場(つまり職場と枕元)があって、違う本を平行して読むんです。
 で、今回の『ソラリスの陽のもとに』は、前回の『ペンギン・ハイウェイ』と平行して読んでいた本。昼はペンギン、夜はソラリスです。

 さて、このソラリス。
 映画ファンの人はご存じだと思いますが、2回も映画化された作品なんです。
 ぼくは最近の映画化作品は観ていないのですが、タルコフスキーの『惑星ソラリス』はたぶん大昔に観ています。
 でも内容はちっとも覚えていませんでした。
 本を読んでも、まったく映像が浮かんできません。へなちょこ記憶力のへなちょこパワーが最大限に発揮されてしまったようです。でもそのお陰で、とても新鮮にストーリーを堪能することができました。

 大昔の記憶は、へなちょこパワーに押されてしまいますが、さすがに直近の1週間程度の記憶ならしっかり残っています。それも上半期ベスト1とまで言わしめた小説ならなおのこと。
 そうです! このソラリスを読んでいるとき、ちらほらと頭をよぎったのが前回紹介した『ペンギン・ハイウェイ』なんです。

 ペンギンがあまりにも面白かったので、ネットで関連情報を探してみると「著者はペンギンをつくるにあたって、ソラリスから大きな影響を受けている」みたいなことが書いてありました。
 これがソラリスを枕元に置いたきっかけなんです。

 ペンギンには、確かにソラリスと同じような設定があったり、登場人物にもソラリスを思わせるキャラが出ていました。
 へなちょこ記憶力を内包するぼくの頭脳では、普通なら、こうした似通った場面やキャラ設定の本を平行して読んだ場合、両者がごちゃごちゃになって、わけがわからなくなってしまうはずでした。
 ところが! 今回はどちらの作品もすんなり、すとんと、別々の違った角度から、琴線に落ちてきたんです。ポロロン、ピロロンって(←擬音が微妙に違うってこと表現してるんです)。

 2冊も続けてこんなすごい本に出会えるなんて……やっぱ、本はいいです。